新制度 株式交付について

こんにちは。渋谷の税理士事務所、リブロス総合会計事務所のスタッフRです。

 

今日は、新しい組織再編成の形である「株式交付」についてお知らせしたいと思います。

この株式交付は、法人が他の法人を子会社化するために行われる手続きの一つで、令和3年3月の改正会社法で施行された制度です。

 

株式交付では、親会社となる法人が自己の株式を発行し、子会社となる法人の株主の所有する株式と交換をします。これにより子会社株主は親会社株主となり、親会社が子会社の株主となる、というのが簡単な説明です。

 

 

この株式交付がこれまでの企業買収、組織再編成と違うところは、子会社株主に対して株式譲渡所得が課されないという点です。

 

これまで、子会社の株主は同様の譲渡をする場合、「株式交換」という、100%子会社化を目的とする譲渡以外では、譲渡所得(課税)が発生していました。

したがって、株主に組織再編成についての理解を求めることに障害があったことになります。

株式交付は100%未満の株式取得でも譲渡所得が生じないという制度であるため、より円滑な組織再編成が行えるものと考えられます。

 

また、親会社は子会社株式を取得するために自己の株式を発行するのみであるため、株式を取得するために多額の金銭を必要としないというメリットもあります。

 

現時点ではまだ実例がそう多くは見られていないようですが、今までにないメリットを持った制度であるため、今後この株式交付を活用した組織再編成が増えてくるものと予測されます。

 

ではまたの機会に。