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2024年4月1日以降の専門業務型労働制の改正について

こんにちは、リブロス総合会計事務所のスタッフEです。

 

2024年も始まり、法定調書合計表や給与支払報告書の提出で忙しくされているかと思います。

 

今回は2024年4月1日より裁量労働制の改正がありお知らせとなります。

裁量労働制は、専門業務型と企画業務型の2種類ありますが、よく利用されている専門業務型についてお話しします。

 

改正点の主要な部分として、対象労働者本人の個別同意を得ることが必須となりました。

今までは、労使協定を会社と労働者代表のみが締結すれば制度として成立しておりました。

 

システムエンジニアを多く雇用している会社にとっては使い勝手の良い制度ですが、まれに労働者が制度自体を理解していないケースが見受けられます。

このような背景もあり、対象労働者ごとに説明し、同意を取ることが必要になりました。

 

協定の有効期間が残っていても、改めて2024年3月末までに労働基準監督署に届出する必要があります。

まだ、時間的余裕はありますので、制度を利用している会社は現状の把握と制度の理解を改めて確認することをお勧めします。

 

参考:裁量労働制の導入・継続には新たな手続きが必要です。

 

 

 

2022年度改正に伴う中古住宅の住宅ローン控除の概要

こんにちは。リブロス総合会計事務所のスタッフSです。

 

最近の都内不動産市場では、中古住宅への関心が高まっています。

そこで、2022年度の税制改正後の住宅ローン控除について解説します。

 

従来の住宅ローン控除では「築年数要件」が重要なポイントでしたが、2022年の改正により、この要件が廃止され、より多くの中古住宅が控除の対象となりました。

 

特に「昭和57年1月1日以降に建築された住宅」つまり新耐震基準に適合する住宅については、証明書がなくても控除が適用されます。(昭和56年以前に建築された住宅は対象外です。)

 

新築と中古住宅では、控除内容にも違いがあります。

 

例えば、2023年に居住する場合、新築住宅の控除期間は13年間ですが、

中古住宅では10年間に限定されます。

また、入居年によっても控除期間が変わるため、注意が必要です。

 

新築住宅と中古住宅の共通要件としては、以下が挙げられます。

 

・住宅ローンの返済期間が10年以上

・合計所得金額が2000万円以下

・対象住宅の床面積が原則50平米以上(一定の場合40平米以上)

・居住用住宅の特例を受けていないこと

 

以前は、築30年の住宅を購入する際に耐震基準適合証明書などの提出が必須でしたが、改正によりこの手続きが簡素化されました。

新築住宅価格の高騰が続く中、この改正は中古住宅購入を検討している方にとって大きなメリットとなるでしょう。

 

 

 

ひとり親控除と寡婦控除の違いについて

こんにちは、リブロス総合会計事務所スタッフIです。

 

この時期は年末調整の確認に追われている方も多いかと思います。

そこで今回は「ひとり親控除と寡婦控除の違いについて」です。

 

寡婦控除に加えて、令和2(2020)年から「ひとり親控除」が新たに追加となりました。

制度内容が似いているので、まずはおさらいです。

 

 

 

 

<寡婦控除>  ※控除額:27万円

①か②に該当する方。

 

①夫と離婚した後婚姻していない人で、下記の条件が両方当てはまる人。

 -1.扶養親族を有する

 -2.合計所得金額が500万円以下。

 

②夫と死別した後婚姻していない人、夫の生死が明らかでない人で下記の条件が両方当てはまる人。

 -1.事実上婚姻関係にあると認められる人がいないこと。

 -2.合計所得金額が500万円以下。

 

 

<ひとり親控除> ※控除額:35万円

①~③の全てに該当する方。

 

①生計を一にする子を有すること。

②合計所得金額が500万円以下であること。

③事実上婚姻関係にあると認められる人がいないこと。

 

比べてみると、違いは2つです。

1)寡婦控除は女性が対象だが、ひとり親は性別問わない。

2)ひとり親控除は扶養対象が子に限る。

3)寡婦控除は婚姻後、離婚or死別or生死不明が要件だが、ひとり親控除は婚姻の事実がなくても良い。

 

!注意!寡婦控除とひとり親控除は併用できません。

 

この時期は年末に向けてなにかと慌ただしくなります。

間違いのないよう要件などを再度見直ししましょう。

 

 

金融機関との取引に必須!資金繰り表の作成と活用

こんにちは。リブロス総合会計事務所のスタッフYです。

 

今回は、金融機関から融資を受ける際に必要となる資金繰り表の作成とその活用について、いくつかポイントをご紹介します。

 

1)資金繰り表とは

資金繰り表とは、特定期間における現金の収入と支出を明確に示すツールです。

※通常は将来の特定期間を指します。

 

 

貸借対照表(BS)や損益計算書(PL)では、その時点での残高はわかりますが

期中の現金の動きを読み取ることはできません。

 

そのため、金融機関は融資の審査において

資金繰り表を参考に、借り手の財務状況、資金管理能力や返済能力を確認し融資の可否を判断します。

 

2)資金繰り表作成時のポイント

資金繰り表の作成において、特に注意すべき点と対処の方法は以下の通りです。

 

・過度に楽観的な収入予測

事業の未来を明るく見すぎて、現実と乖離した収入予測をすることがあります。

これを避けるためには、過去の実績や業界の平均を基にした現実的な予測を立てることが重要です。

 

・見落としやすい隠れた支出

予期せぬ支出や忘れがちな経費もしっかりと計上する必要があります。

例えば、緊急時の資金や設備の修理・メンテナンス費用など、日常的には目立たないが重要な支出を見落とさないようにしましょう。

 

・不十分な借入金の返済計画

借入金の返済計画を立てる際には、将来のキャッシュフローを慎重に考慮することが大切です。

返済計画が現実的でないと、後に資金繰りに大きな問題が生じる可能性があります。

 

3)資金繰り表の更新の重要性

資金繰り表は一度作成したら終わりではありません。

市場の変化や事業の進展に応じて定期的に数値を見直し、必要に応じて調整することが重要です。

習慣化された資金繰り表の作成は、企業や個人にとって資金管理の基本的な一環となり、将来の成功に向けての強力な道具となります。

 

皆さんがこれらの情報を活用し、より安定した財務基盤を築くことができることを願っています。

資金繰り表は単なる書類ではなく、事業の成長と安定を支える強力なツールです。

弊事務所は皆様の事業発展をサポートして参ります。

 

 

時給制における割増賃金の計算方法について

こんにちは、リブロス総合会計事務所のスタッフEです。

 

2023年もあとわずかとなり、年末年始の忙しさの片隅にこちらの情報をお伝えしたいと思います。

 

今回は時給制における割増賃金の計算方法です。

残業手当を計算する場合の単価の計算方法についてのお話しです。

 

会社によっては、固定の時給に加えて毎月一定の手当を支給するという方針を取っているところもあります。

割増賃金の計算はこの月額の手当を含めて計算する必要があります。

   

<計算例>

所定労働時間  160時間

基本時給   1,200円

月間手当 10,000円

 

これを基に時給単価を算出すると、1,200円に手当の単価(10,000円を160時間で割った額)を加え、約1,263円になります。

割増率25%を適用すると、割増賃金は約1,579円です。

 

ここでの計算は小数点以下を切り上げた額ですので、より具体的な計算を希望する場合は別途、給与計算ソフトの利用をお勧めします。

 

重要な点として、ここで計算した手当を含む時給と、手当を含まない時給での割増賃金とを比較することです。

手当を含まない場合の割増賃金は1,500円になりますが、手当を含む場合の割増賃金は1,579円となり、79円の差が発生します。

この差を無視すると、労働者の利益を損ないますので特に注意が必要です。

 

また、月の所定労働時間の個々の働き方によって異なるため、特にパートやアルバイトの場合は週の稼働日数が変動することから、各人ごとに適切な計算が求められます。

そうした計算を一人ずつ行うのは大変ですが、従業員が不利益を被らないような計算方法を選択する必要があります。

 

あいにくなことに、給与計算ソフトの中には上記のような手当を含む計算を適切に行えないものが多いです。

個々の計算式を作成できるソフトがあれば、給与計算の見直しをお勧めいたします。

未払いの残業代を抱えるリスクは思わぬところに潜んでいることがあります。

割増賃金の計算一つを取ってもその点が如実に表れます。

だからこそ、適切な計算方法を学び、筋道を立てた給与計算を心がけていくことが大切です。

 

 

非居住者である扶養親族の範囲の見直しについて

こんにちは、リブロス総合会計事務所のスタッフNです。

 

 

 今年も早いもので、年末調整の時期になりました。

 

今年の注目すべき変更点は、「扶養控除の対象となる非居住者である扶養親族の範囲の見直し」です。

この改正は、扶養控除を受けるための条件を再定義し、以下のような新たな基準を設けています。

 

 

1)年齢基準の明確化

非居住者である扶養親族の対象年齢が、16歳以上30歳未満、または70歳以上に限定されました。

 

2)中間年齢層の条件付き対象化

30歳以上70歳未満の人も、特定の条件(留学中であること、障害者であること、一定額以上の生活費や教育費の受領)を満たす場合に限り、扶養控除の対象になります。

 

これにより、給与支払者が提出する必要のある書類が増えるケースがあります。

特に注意が必要なのは「送金関係書類」で、複数の扶養親族への送金を一人にまとめると、扶養控除の対象はその一人のみとなるためです。

 

そのほか注意点がいくつかありますので、詳しくは国税庁のQ&Aをご確認ください。