こんにちは、渋谷の税理士事務所、リブロス総合会計事務所のRです。
今年も残暑が厳しく、また湿度も高いので体調に気をつけたい日々が続きますね。
さて、今日は、使い勝手のよくなった「賃上げ促進税制」についてお話ししたいと思います。
中小企業(個人事業)向けのものについてですので、大企業向けはまたの機会に。
さて、この「賃上げ税制」ですが、少し前まで「所得拡大税制」という名称でした。
より誰が何をすべきなのか明確な名称になりました。
つまり、この税制は「企業が、従業員に支払う給与を増やした時に企業が税制上のメリットを受けられる制度」だということです。
具体的には、前年と比較して当事業年度の給与額(賞与なども含む)が多くなっていたら法人税を減額します、という制度です。
減額の幅は、法人税の20%と、給与の増加額の15%のいずれか小さい額となります。
また、使い勝手がよくなったというのは次の点においてです。
この3月以前までの事業年度においては、条件の一つに、前期と当期の2年間継続して勤務した人に対して支給した給与が一定額上昇している必要がある、というものがありました。
この要件が削除された、というのが大きな変更点です。
この要件が曲者で、従業員の中から2年間勤務した人の給与額だけを抜き出し、比較をする必要がありました。
2年分の給与データをエクセルで吐き出し、継続雇用者を抜き出し、前期と当期の給与額を合計して比較する。
従業員が多ければ多いほど大変な作業で、計算した金額が合っているのかも確信がもちにくい、そんな要件でした。
しかし、今回この要件が無くなったことにより、比較するものが「前期と当期で損金算入された給与の額」だけになりました。
ほとんどの場合、損益計算書だけの比較でよくなったのです。
タイトなスケジュールで税額の計算をする場合には非常にうれしい変更です。
皆さんの事業においても、積極的に活用したい税制ですね。
それでは、またの機会に。