時給制における割増賃金の計算方法について

こんにちは、リブロス総合会計事務所のスタッフEです。

 

2023年もあとわずかとなり、年末年始の忙しさの片隅にこちらの情報をお伝えしたいと思います。

 

今回は時給制における割増賃金の計算方法です。

残業手当を計算する場合の単価の計算方法についてのお話しです。

 

会社によっては、固定の時給に加えて毎月一定の手当を支給するという方針を取っているところもあります。

割増賃金の計算はこの月額の手当を含めて計算する必要があります。

   

<計算例>

所定労働時間  160時間

基本時給   1,200円

月間手当 10,000円

 

これを基に時給単価を算出すると、1,200円に手当の単価(10,000円を160時間で割った額)を加え、約1,263円になります。

割増率25%を適用すると、割増賃金は約1,579円です。

 

ここでの計算は小数点以下を切り上げた額ですので、より具体的な計算を希望する場合は別途、給与計算ソフトの利用をお勧めします。

 

重要な点として、ここで計算した手当を含む時給と、手当を含まない時給での割増賃金とを比較することです。

手当を含まない場合の割増賃金は1,500円になりますが、手当を含む場合の割増賃金は1,579円となり、79円の差が発生します。

この差を無視すると、労働者の利益を損ないますので特に注意が必要です。

 

また、月の所定労働時間の個々の働き方によって異なるため、特にパートやアルバイトの場合は週の稼働日数が変動することから、各人ごとに適切な計算が求められます。

そうした計算を一人ずつ行うのは大変ですが、従業員が不利益を被らないような計算方法を選択する必要があります。

 

あいにくなことに、給与計算ソフトの中には上記のような手当を含む計算を適切に行えないものが多いです。

個々の計算式を作成できるソフトがあれば、給与計算の見直しをお勧めいたします。

未払いの残業代を抱えるリスクは思わぬところに潜んでいることがあります。

割増賃金の計算一つを取ってもその点が如実に表れます。

だからこそ、適切な計算方法を学び、筋道を立てた給与計算を心がけていくことが大切です。